Dora Tauzin

Culture 文化

大使館に行こう

東京の在日フランス大使館はずっと前から改修の必要があった。いくつもの計画が出ては挫折していった。そして、ようやく建て直しが実現したばかりだが、仏政府は一ユーロも支出せずにすんだ。

その方式とは、ゼネコンや不動産会社などからなる日仏の企業連合と契約。大使館の敷地の一部は五十三年間、企業連合に定期借地され、そこにマンションを建設・分譲(広尾という魅力的な場所!)。その代わりに企業連合が素晴らしい大使館新庁舎を建てるというものだ。

日仏交流を象徴する建造物は、植林の保存や雨水の再利用など環境に配慮したもので、建築物の環境性能としては国内最高ランクと評価された。旧庁舎は来年、取り壊される運命にあるが、そこでは今、画期的なイベントが行われている。

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大使館の文化担当、エレーヌ・ケルマシュターさんが中心となり、資金面は企業がサポート。大使館の事務室や廊下、階段、トイレなどすべてをギャラリーとして活用。日仏のアーティスト六十八人が集まって、絵画やオブジェなど思い思いの作品を展示している。  

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この「ノー・マンズ・ランド」というイベントは、毎週木曜日から日曜日(来年一月三十一日まで)で入場無料。カフェもある。一般の人が今の大使館内部に入れる最初で最後の機会。絶対に訪れてみるべきですよ。

(東京新聞 本音のコラム・2009年12月7日)