滝行(御岳山・東京青梅)
最近、東京・青梅の御岳山で友人たちと心地よくそして印象的な週末を過ごした。ハイキングをしたり、友人の家族が営んでいる静山荘という宿坊では、ステキな畳の部屋に大勢で“雑魚寝”したり、川魚や山菜などの美味しい食事をいただき、瞑想したり…。でも、そこで最高に盛り上がったのは、滝行だった。
私の友人たちは国籍こそばらばらだったが、皆勇んでこのお清めの行為に突進し、幾人かにとってはお清めというよりはチャレンジというべきものだった。滝に向かって女性は真っ白な着物、男性はふんどし姿で祈りの言葉を唱えながら進んだ。そして滝に打たれること、三度(最初は十秒ほど、残りはもっと長く)。
ちょっとマゾ的だが、エネルギーの回復や魂の浄化にとってはとても効く。そしてヒーリングブームといわれる昨今には欠かせないものだ。
この宿坊を営む宮司、橋本薫明さんがこの滝行を始めたのは十年前。何件もの要望を受けて、一般の方にも滝行を奨励することを決めた。
滝行に来るのは日本人では三十代女性が圧倒的だという(男性はまれ!)。
外国人も一割いて、うちロシア人がとても多いそうだ。彼らは二週間も滞在し、滝行は毎日二度も行うとか。ここで私は白状しなければならないだろう。滝行におそれをなして、こっそり逃げてしまったということを。
(東京新聞 本音のコラム・2009年11月23日)